1.企業が知らないと損する!高齢者採用のための助成金・補助金ガイド
少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化する中、経験と知識を備えたシニア人材の活用は、企業の持続的成長において不可欠な戦略となっています。
こうした採用活動や職場環境の整備には一定のコストがかかりますが、国の支援制度をうまく活用することで、企業の金銭的負担を大きく軽減することが可能です。
本記事では、2026年度(令和8年度)における最新の制度変更を踏まえ、シニア層の採用・定着を目指す企業が「まず押さえておくべき3つの代表的な助成金・補助金」に厳選して解説します。
【注意】かつて存在した「高年齢労働者処遇改善促進助成金」は、2025年3月末をもって廃止されました。現在は後述する「65歳超雇用推進助成金」などへの集約が進んでいます。
2. 「65歳超雇用推進助成金」
高年齢者が意欲と能力のある限り働き続けられる環境を整備する企業を強力に支援する制度です。2026年度には、使い勝手を向上させるための要件緩和が実施されています。
| コース名 | 支援内容と2026年度のポイント | 支給額(中小企業) |
|---|---|---|
| 65歳超継続雇用促進コース | 定年の引上げ、廃止、継続雇用制度の導入。 ※「1事業主1回限り」の制限が緩和されました。 | 最大240万円 |
| 高年齢者無期雇用転換コース | 50歳以上かつ定年未満の有期契約労働者を無期雇用に転換。 | 対象者1人につき40万円 |
| 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース | 高年齢者向けの評価制度や研修制度の導入。 | 制度に応じた定額支給 |
2. 「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」
ハローワーク等の紹介により、60歳以上の離職者を雇い入れる場合に活用できる採用直結型の助成金です。
・対象者: 雇入れ日において満60歳以上の離職者
・支給額: 最大60万円(中小企業、通常労働者の場合)※半年ごとに30万円×2回に分けて支給されます。
・重要な注意点: ハローワーク等を通さずに直接採用(自社サイトや縁故など)した場合は対象外となります。求人を出す段階で窓口に相談することが必須です。
3. 「エイジフレンドリー補助金」
高齢労働者が安心して安全に働けるよう、身体的負担を軽減する職場環境の改善(設備投資)を支援する補助金です。
・補助対象の例:パワーアシストスーツの導入(重筋作業の軽減)、滑りにくい床材への改修、段差の解消(転倒防止)、スポットクーラーの設置(熱中症対策)
・補助率: 対象経費の1/2〜3/4(コースによる)
・ポイント: 例年、申請期間が限られているため(概ね5月〜10月頃)、早めの計画が必要です。
4. 失敗しないための「実務チェックリスト」
助成金申請を成功させるためには、以下の「当たり前」の管理が前提となります。
・労働基準法の遵守: サービス残業がないか、法定帳簿(賃金台帳、出勤簿)が正しく整備されているか。
・就業規則の最新化: 最新の法改正に対応した内容で労働基準監督署に届け出ているか。
・雇用契約書の締結: パート・アルバイトを含む全員と適正な書面を交わしているか。
・「事前」の計画提出: 多くの助成金は、制度導入や雇入れの「前」に計画届を出す必要があります。
※本記事は2026年4月時点の情報に基づいています。助成金は要件が頻繁に変更されるため、申請にあたっては必ず厚生労働省の公式サイトを確認するか、社会保険労務士などの専門家へ相談してください。
5. 申請書の入手方法と具体的な手続きの流れ
制度を活用したい場合、実際にどのように申請を進めればよいのか、基本的な流れをご案内します。
① 申請書・様式の入手先
助成金と補助金で、管轄や書類の入手先が異なります。
・助成金の場合(65歳超雇用推進、特定求職者雇用開発など)
厚生労働省の公式ウェブサイトにある各助成金の専用ページからダウンロードします。【重要】年度替わり(4月)などに様式が頻繁に変更されるため、必ず「最新版」をダウンロードして使用してください。古い様式だと受理されません。
・補助金の場合(エイジフレンドリー補助金など)
厚生労働省の委託を受けた管轄団体(日本労働安全衛生コンサルタント会など)の特設サイトから、公募要領や申請様式をダウンロードします。
② 申請(提出)の方法
提出方法には以下の3つのパターンがあります。近年は、24時間いつでも申請でき、進捗状況も確認しやすい「電子申請」が主流となっており、国も強く推奨しています。
・電子申請(推奨): 「雇用関係助成金ポータル」等を通じてオンラインで申請します。利用には法人共通の認証アカウントである「GビズID(プライム)」の事前取得が必要です。
・郵送: 簡易書留やレターパックなど、追跡可能な方法で管轄の都道府県労働局やハローワーク(補助金の場合は指定の事務局)へ郵送します。
・窓口持参: 管轄の労働局・ハローワークの助成金窓口へ直接持ち込みます(※事前に来庁予約が必要な窓口が増えています)。
③ 手続きを進める上でのアドバイス
申請書本体だけでなく、「就業規則の写し」「賃金台帳」「タイムカード・出勤簿」「労働条件通知書」など、要件を満たしていることを客観的に証明する大量の添付書類が求められます。
初めて申請する企業にとっては非常に手間がかかるため、まずは管轄のハローワーク窓口で要件に該当しそうか相談するか、助成金申請の専門家である社会保険労務士(社労士)に手続きの代行を依頼することをおすすめします。
6. まとめ|助成金を活用した高齢者採用で企業が得られるメリット
高齢者採用における助成金は、企業にとって重要な支援ツールです。適切に活用することで、採用コストを抑え、企業の社会的責任を果たしつつ、組織の多様性を向上させることができます。また、助成金を活用することで、経験豊富な高齢者を雇用し、組織全体の知識と経験の蓄積に寄与することができます。
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